私訳「神田川」
【貴女の優しさが怖かった】
貴方はもう忘れたかしら
赤い手拭いマフラーにして
・・・
「神田川」
昭和な歌詞だなーと思っていた時期が僕にもありました。
だって、女性が風呂屋行って、上がるのが遅い彼氏に待たされてるんだぜ?
風呂上がりの
「洗い髪が芯まで冷えて」
それでも男が上がるのを待つ女が健気だなあという歌なんだと思っていました。
(´-`).。oO(昭和の銭湯デートは知らないが、今なら待たされるのは男でないかい?
、、、だなんて思った僕が甘かった。
甘すぎた。
秀逸な解説記事を見つけたので分かったことだが、
【これは革命の歌なのだ】
「神田川」のリリースは1973年9月20日。歌詞は、放送作家の喜多城忠が学生運動時代のほろ苦い思い出をつづったものである。
つまり男が書いたのだ。
ググれば分かるが、学生運動の頃は男も長髪が多かった。
つまり、
「洗い髪が芯まで冷えて」
は男も共感できるように書いたもの。
革命のために機動隊に立ち向かい、来るべき理想の社会について仲間と熱く語り合う男たち。
彼らにひと時の幸せを与え、
社会への矛盾や、
腐った大人への怒りを
忘れさせてしまうのが
「貴女の優しさ」である。
「あなたの優しさが怖かった」のは、
「優しいあなたと、いつか別れるのが怖い」ということではない。
優しくされ、幸せを感じて安らぐことが革命を目指すものにとってはヤバイことなのだ。
これは昭和に限った話ではない。
物事を変えようというすさまじいエネルギーを生むのが、実は狂気や不満や欠如感だったりする。
「貴女の優しさ」に心満たされながら、同時に何かに中指立てて立ち向かえるほど
男は器用にできちゃいない。
そういう意味で、
愛ってヤバイものである。