「給料いい仕事は大変なはず」だと?は?
むかーし昔、時給1,300円の
ブラック企業で働く女がおったそうな。
挨拶代わりにお尻を触る上司。
スタッフを駒のように捨てる上層部。
擁護すれば「お前あいつと寝たのか」
と平然と言い放たれる。
おまけに社長の気まぐれで優先業務が
右から左にコロコロ変わるものだから、
前まで正しかったことが悪になる。
さてその女性は
CS(顧客満足度)向上プロジェクトに
いそしむも、社長の気まぐれで
生産性重視に転換。
上司から「生産性が低い!」
「何やってたんだ!」と罵倒される始末。
外から見れば狂った会社。
しかし当事者にしか分からない葛藤がある。
「引き受けた仕事がある」
「途中で責任を放棄できない」
さてあなたなら彼女に何て
言いますか?
ごめん!
これ昔話じゃない!
現代の実話!
CM打ってる大企業!
僕が実際に彼女から聞いた話!
そして僕が答えた内容はこうです。
「あなたが辞めたら会社は後の人を用意する。実際今までそうして成り立ってきたの。だってそうじゃなきゃ、人が辞めまくってるのに成り立つわけがない」
「それより薄給激務&人権意識の無さにも程がある。まずは時給1,600円以上の仕事を五つ探し出して!」
時給1,300円でさえ大変な思いしてるのに時給1,600円以上だともっと大変なんじゃいかって? は?何言ってんだ? 仕事の大変さとお給料は比例しません! まず、このブラック企業の構造を説明します。 彼女がいたのは、経営者が「最小限のエサで極限までこき使う」というパターンの企業です。 ①できる限り従業員への支払いは抑制。 (※・・・非正規従業員が大多数で、正社員のイスが限られているというパターンもあります。この限られたイスを競わせることで猛労働させることができますが、そのイスに座れた人はようやく人並みの賃金というしょーもない結果に気づくでしょう)。 ②人道より売上優先 「コールセンターに人員を集めろ!スペースが足りねえなら、立ってでも電話させろ!」とか平気で言うことも。 ──こういった特徴があるのが、「最小限のエサで極限までこき使う」企業です。 となると、スタッフは基本的に最低賃金レベルの人が集まります。敬語間違えるだけなら可愛いもので、「少々お待ちください」と言って30分待たせるようスタッフがざらにいます。 会社側はこれに対し、強権的に対応します。「なに?トイレに立つ奴がいて電話を取り損ねた!?」→「では、退出禁止だ!!」という発想。 つまり、「一部のアホによるミスをなくすために、アホもそうじゃない人もまとめて恐怖のどん底に陥れる」ということになります。ま、そもそも低賃金の結果、アホを大量採用することになっているんですけどね。 つまり、この会社は「低賃金」と「過酷な環境」なのがセットなのです。 (世の中には高賃金ながらブラックというパターンもありますが、それはまた別)。 彼女の会社の場合、給料の低さと仕事の大変さが比例するわけです。 つまり地獄の相乗効果。 僕がなぜ今より時給の良い会社を探すよう言ったのかと言えば、「給料が良く、仕事がちょうど良い負荷の会社」が必ずあるからです。 高賃金な上に ・人体を工学的に分析の上、疲れにくいイス、机、PCを設置 ・コーヒーや水は無料で飲み放題 ・見晴らしの良いカフェが併設 ・イケてるランチが市販の半額 ──といった会社もあります。 推測ですが 「従業員に良い環境で過ごしてもらい、最高のパフォーマンスを発揮してもらおう」という発想なのでしょう。 というわけで、彼女には時給1,600円以上の仕事を探すようアドバイスしました。 (もっと高くても良かったかもしれません)。すると彼女はあっという間に時給1,600円の仕事を見つけて辞めていきましたとさ。新しい職場はいい人ばかりでとても過ごしやすいとのことです。
めでたしめでたし。